はじめに
ハイポネックスを使ったミドリムシの培養を行ってきた。メダカに使用できると思い培養を続けてきたのだがふと、タマミジンコに餌として与えてみたとき増殖はうまくいくのだろうかと思いがよぎった。
グリーンウォーターや生クロレラと比べると培養までに時間がかかり餌としてのコスパが良くないことは実験前から分かってるけど、培養が安定すればタマミジンコの餌候補の1つに入るのではないか。
濃度を変えていつもと同じように400mlの透明カップで実験を行っていきたい。
目的
ミドリムシを餌にしてタマミジンコが増殖するのか実験を行いたい。また、増殖した際の最適なミドリムシの容量は何mlであるか結果を導きたい。
結論
カルキ抜きした水400mlに対してミドリムシ20ml~40mlが最も増殖した。
※これまで餌として使用してきた、生クロレラ、グリーンウォーターでは5日目以降100匹を超えていたがミドリムシにおいては、最も増殖したものでも40匹以上になる容器はなかった。
室温が16℃~20℃前後であったため増殖スピードが遅くなったことが考えられる。夏の時期にもう1度実験を行いミドリムシがタマミジンコの餌として使用できるか再度確認を行いたい。
方法
①ミドリムシを10ml、20ml、30ml、40ml、100ml、200mlそれぞれ透明なカップに入れた。
②ミドリムシも含め400mlになるようカルキ抜きした水を注いだ。
③タマミジンコ10匹をそれぞれの容器にいれ12時間日光を照射し続け、タマミジンコ投入日を0日目とし6日目まで増殖数をカウントした。
結果
カルキ抜きした水400mlに対してミドリムシ20ml~40mlが最も増殖した。
100ml、200mlでは、死滅はしないまでも濃度が濃すぎ思うように増殖しなかった。またミドリムシ溶液10mlにおいては5日目にすべてのタマミジンコが死滅した。
0日目 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | |
10ml | 10 | 27 | 2 | 0 | 0 | ||
20ml | 10 | 41 | 27 | 34 | 38 | ||
30ml | 10 | 22 | 29 | 32 | 36 | ||
40ml | 10 | 33 | 18 | 26 | 35 | ||
100ml | 10 | 29 | 9 | 9 | 7 | ||
200ml | 10 | 17 | 32 | 27 | 11 |
考察
初めにでも書いたが、そもそも増殖したところでミドリムシの培養そのものに時間がかかり餌としてのコスパは悪い。他の餌より増殖スピードや安定性にミドリムシのほうが優位性が見られるのではないかと考えていたが思ったように増えなかった。
しかし増殖中の温度が16℃~20℃前後と低かったこと、LEDの24時間照射ではなく12時間の自然光に変えたことが大きく実験に影響を与えていたことは無視できない。
対照実験では変えてはいけない条件をきっちりとおさえておく必要があるという教訓は次回以降の実験に生かしていきたい。
ミドリムシ濃度が薄い10mlでは、死滅してしまったが他の濃度では微量ながら増殖しており餌不足で死滅したということであれば、ミドリムシが餌として機能しているという証拠でもあると考えられる。
1Lあたりミドリムシ溶液50ml必要であることを踏まえると、100Lのカルキ抜きした水に対して5Lのミドリムシ溶液が必要である。メダカに与える量としては、充分であるが水交換が必要であるミジンコ類では、何度も申し上げてる通りコスパが悪い。
夏の時期にもう1度ミドリムシを餌として培養を行い、成果が出ればミドリムシを大量売培養できる方法はないか模索する方向にシフトしていきたい。
それでは最後まで記事を見ていただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。さようなら。