目的
餌の大きさや食べやすさはメダカの成長段階において重要な要素である。
そこでメダカ用の餌、ミジンコ、タマミジンコ、カイミジンコ、マルミジンコを成魚の段階と稚魚の段階に与えた時の体重増加を記録しミジンコの餌としての有用性を検討することを目的とした。

方法
メダカの成魚と稚魚各5匹を用意し
メダカ用の餌を3日に一回、
ミジンコを1日おきに50匹、
タマミジンコを1日おきに100匹、
カイミジンコを3日おきに100匹、
マルミジンコを1週間おきに1000匹
与えた。
その後約2か月間定期的に体重を測定し記録した。



結果
成魚においては、ミジンコを餌として与えた時の体重増加が一番大きかった
が、市販の餌とミジンコ全体を比べた時の差はほとんど感じられなかった。
稚魚においては、マルミジンコを餌として与えた時の体重増加が一番大きく
市販の餌よりも全体的にミジンコのほうが増加した。




考察
成魚の餌としてミジンコがよく育った理由としては、稚魚と比べ口が大きく捕食しやすかったからだと考えられる。
市販の餌とミジンコの比較を行ったとき体重増加で大きな差は見られなかったが、ミジンコを与えているメダカのほうがより活発に動き体が丸々とするなど見た目に差が表れた。
稚魚の餌としてマルミジンコがよく育った理由としては、口が小さい稚魚にとって捕食しやすい大きさだったからだと考えられる。
タマミジンコやミジンコの仔虫は比較的殻が柔らかいためマルミジンコとまではいかないまでも体重増加が見込めるが、カイミジンコのような殻が固いミジンコは捕食するものの何度も吐き出す様子がみられメダカの稚魚の餌としては適していなかったのだと考えられる。
また市販の餌とミジンコの比較を行ったとき体重増加で大きな差は見られなかったが、ミジンコを与えているメダカのほうがより活発に動いていた。稚魚の体重を最も増加させたのはマルミジンコであったが、小さすぎて耐久卵採取が困難である点が課題である。
今後、同実験をやるにあたり、餌1種に対し1匹ではなく数匹を同時に飼育しデータのバラつきをなくす必要がある。