目的
雌雄のコントロールによる耐久卵取得①~ピリプロキシフェン曝露により耐久卵を人工的に作らせることができる?~
において結果よりすべてのミジンコがオスになってしまい単為生殖も行えず成体と耐久卵の増加が見込めなかったという仮説をたてた。そこでピリプロキシフェン投入4日目にメスの成体を投入し成体と耐久卵の増加を10日間観察した。
方法
不快害虫用スミラブ発泡剤SES(住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社)を2 gとり2Lのペットボトルに入れ段階的に希釈していき、101 ng/L、102ng/L、103 ng/L、の3つの濃度を用意しそれぞれ20匹の成体を投入した後10日間個体数と耐久卵数の推移を観察した。さらに②の実験では、 4日目にメスの成体10匹を投入し10日間観察した。 個体数と耐久卵数はカウンターを使用し目視で計測した。
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結果
最も個体数と耐久卵数が伸びたのは10ng/L濃度であったが、そのほかの濃度では全滅はしなかったものの不安定な推移となった。
考察
雌雄のコントロールによる耐久卵取得①~ピリプロキシフェン曝露により耐久卵を人工的に作らせることができる?~ の結果同様に102、103ng/Lは成体数も耐久卵数も10日間では伸びなかったが、濃度の一番低い10ng/Lに関しては耐久卵数が成体10匹投入した日から20倍に伸びた。11-1 の実験ではみられなかった結果であり、仮定通り、増えたオスと投入したメスの有性生殖により耐久卵数が増えたと考えられる。しかしデータ量が少ないので安定性があるのかも含め再現性を確認する必要性がある。