発酵鶏糞でミジンコ(オオミジンコ・タマミジンコ)を簡単培養する方法

これまでのミジンコの培養方法

室内培養・ペットボトル培養

 これまでは冬の時期で日照時間も短く温度が低下していたことから室内の加温スペースで下記の表の内容で培養を行っていました。60L水槽1本で水槽用ヒーターをつけたものと2Lペットボトル数十本を培養の軸にしていました。

生クロレラ
温度25℃前後
エアポンプ24時間
LEDライト24時間(60W )

室内培養とペットボトル培養のいい点と悪い点

いい点

・安定して培養させることができる

・天候に左右されない

・ペットボトルを複数用意すればリスクを分散できる

悪い点

・屋外培養と比べて培養できる規模が小さい

・餌によっては匂いが気になる

NINE.G.CELL

目次 1 完成図2 必要なもの3 手順 完成図  餌は、グリーンウォーター、生クロレラ濃度(0.01%か0.1%)、金魚…

 上記の悪い点である培養規模が小さい点と匂いが気になるという点を解決するためには屋外で大量培養を試みるのが一番いい案だと思います。水の入れ替えが大変だったり、死滅した時や天候で全滅した時は一から培養スペースを確保しないといけなくなりますが大量のメダカたちにミジンコを毎日供給できるくらいになればいいと思っています。

発酵鶏糞を使ったミジンコ培養の概要

 時期は、3月から5月までの約3か月で60Lのトロ船に40Lの水を入れてオオミジンコとタマミジンコを繁殖させました。詳しい実験概要は、下記の表に載せておきます。

培養期間約3か月
気温14℃~27℃前後
発酵鶏糞(100g)
水量40L
ミジンコの種類オオミジンコ・タマミジンコ

使用した発酵鶏糞

 通常の鶏糞で培養していたこともありますが匂いがきつすぎて増殖はしましたがとても使えませんでいた。そこで最近は比較的匂いの少ない発酵鶏糞を使用しています。ミジンコ培養用に売っている発酵鶏糞もありますがホームセンターの園芸コーナーに売ってある発酵鶏糞で十分繁殖するので問題ありません。

発酵鶏糞を使ったミジンコ培養方法

①60Lのトロ船に水道水を40Lほどいれます。

②発酵鶏糞を100g量り、お茶パックに入れ投げ入れ、薄く茶色に色ずくまでかき混ぜます。

お茶1パック50g

2パックで100g

お茶パック投入直前

③薄く緑色になるまでグリーンウォーターを追加で投入します。※絶対入れないといけないものではないのでなくても大丈夫です。

④1週間ほど放置した後、増やしたいミジンコ類(オオミジンコ・タマミジンコ)を投入します。

⑤定期的に出てくる汚れを取り、蒸発した分の水はバケツでつぎ足します。

網で汚れをすくっている様子

蒸発した分の水をバケツでくんで補充しているところ

⑥約3か月間培養を続けオオミジンコとタマミジンコが培養出来ているかどうか確認を行いました。

3か月後

 3か月後も発酵鶏糞だけでオオミジンコ・タマミジンコは繁殖を続けていた

※水立ち上げ時期にグリーンウォーターを入れています。

タマミジンコ

オオミジンコ

3か月の培養で気付いたポイント

・発酵鶏糞を入れてから培養できるまで時間がかかるので、カルキ抜きした水に発酵鶏糞をいれグリーンウォーターや生クロレラも一緒に混ぜてあげると1週間待たなくて済む。
40Lのトロ船で上記の培養液にオオミジンコを投入しましたがこちらも3か月後繁殖していました。
・定期的に間引いてあげないと死滅する。
 ペットボトル培養の時も同じですが容器内にミジンコが密になると全滅する確率が上がります。実験期間内に全滅することはありませんでしたが増えすぎて個体数が減少してしまうことがありましたので気を付けてください。
・飼育環境(水質、温度、pH、餌の量)によっては、水の全入れ替えが必要
 私も嘘を書くつもりは毛頭ありませんが、沖縄と北海道では気温や降水量もまったく違いますし、家庭によっては容器を置いているところで日の当たり方などもまったく違いますのでこれまで上記で書いてきた事実が当てはまらないことが出てくると思います。全く増えなくなってしまったり、水質が悪化してきたと感じたら迷わず水を全部入れ替えてみてください。
 通常は、単為生殖で増えていきますが環境が悪化すると有性生殖を行い耐久卵(ミジンコの卵です)を作ります。そこまでこだわらない、水の入れ替えが面倒という方は、死滅した後放置しておけば復活する可能性があります水温25度、日照時間半日以上の環境だと耐久卵は約3~4日で孵化します。1週間ぐらい待ってみるのも1つの手かもしれません。
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