大学での研究テーマ「タマミジンコの培養」
大学で微生物専門の学科に通っていたのですが研究テーマは「タマミジンコの培養」でした。冬になると耐久卵を産み個体数が減少してしまうので冬でも大量に培養できるよう最適な温度、餌、phは何かを研究していました。テーマが決まったはいいものの今までミジンコ飼ったこともなければ培養方法もわからず八方ふさがりの状態。そんなときお世話になっていたのが今回ご紹介する「日本産ミジンコ図鑑」です。中身を載せてしまうと権利関係で引っかかってしまうので概要やこの本の魅力について語っていこうと思います。
金魚の生産地「熊本県・長洲町」
今でこそメダカにミジンコ与えておりますがもともとは、熊本県長洲町で生産されている金魚の生餌として大量培養させようというのがはじまりでした。タマミジンコオオミジンコなどのミジンコと比べサイズも小さく殻も柔らかいことから餌としてよく与えていたようです。成長も早く色付きもよいなどメリットも多くあったのですが冬になると日照時間が短くなったり温度が下がったりして繁殖させづらいという課題もあります。私から始めた研究ではなく先輩から引き継いだ研究でありましたので研究のデータや基本的な培養方法などは、教えていただきましたが知識としては全くの状態でした。
長洲町(https://www.town.nagasu.lg.jp/kiji0033911/index.html)より引用
タマミジンコなのか?
培養するにあたり採取してきたわけなんですが果たしてどれが何ミジンコなのかわからないわけです。研究室の先輩が耐久卵をいくつか保存してくれていたようなのですが、生体について顕微鏡で調べてみたところ、どうやらタマミジンコだけを培養していなかったようで選別に入らないといけませんでした。ミジンコ初心者として困り果てていましたが「日本産ミジンコ図鑑」に記載されている体の特徴や図解とにらめっこしながら選別していたことを今でも覚えています。下のほうに写真をいくつか載せてみましたが皆さんどれが何ミジンコかわかりますか?
背中に耐久卵を持っていますね!?
上のミジンコと比べるとだいぶ形が変わりましたね。
この子も名前にミジンコが付きますが分類上は、全く違うようです。
一番好きな子です。丸くてかわいくないですか?
本著の概要
著者 | 田中正明・牧田直子 |
発行所 | 共立出版株式会社 |
発売日 | 2017年6月25日 |
体裁 | A5・536項 |
内容 | ・ミジンコとはといった基本的な説明から分類まで。 ・図を用いた各部位の名称。 ・生息地域の分布。 ・雌と雄それぞれの体長や殻、腸管などの特徴。 |
記載のあるミジンコ
・タマミジンコ
・オオミジンコ
・タイリクミジンコ
・オカメミジンコ
・マルマルミジンコ など
あくまでミジンコの生態や特徴にまとめた本であってタマミジンコの培養方法などは書いてないよ!
もしタマミジンコを培養したいと思った方は、下の「タマミジンコの大量培養システムの開発」を押してみてね。すごくためになると思うよ!
参考にしたタマミジンコ大量培養・資料
今回、ご紹介した本とは、無関係になってしまうのですがタマミジンコを大量培養したい。うまく増やせるようになりたいとお考えの方は、ぜひ下記のピンクのボタンをクリックしてみてください。とてもためになると思います。
内水面研究所(稲田 善和・中本 崇・牛嶋 敏夫)タマミジンコの大量培養システムの開発、福岡水技研報・第13号2003年3月 リンク先(https://www.sea-net.pref.fukuoka.jp/info/kenkyu/upLoad/k13-7.pdf)